【レポート】Building for a better future: Agility, speed, and resilience #WPS208-L #reinvent
はじめに
こんにちは、かみとです。
re:Inventに現地参加しています。
今回は社会問題を取り扱ったセッションです。
日本でエンジニアをしていたら普段は絶対に見ることがないであろうセッションに敢えて足を踏み入れてみました。
コンテキストなどわからないだらけの中での参加でしたが、雰囲気を伝えられたら幸いです。
セッション概要
As we move into the next stage of normalcy, organizations must adapt and innovate to keep up with the constantly evolving global landscape and the changing needs of end users and constituents. In this session, join Max Peterson, VP of AWS Worldwide Public Sector, for a discussion with Dr. Peggy Whitson, astronaut, and Matthew Fraser, Chief Technology Officer for New York City, about how the transformative power of the cloud is enabling organizations to move with speed and agility while ensuring that mission-critical workloads stay secure and protected. Hear these leaders’ innovative stories and gain insights that will help you reimagine what’s possible.
次のステージに進むにあたり、組織は常に進化する世界の情勢やエンドユーザーや構成員のニーズの変化に対応するために、適応し、革新する必要があります。本セッションでは、AWSワールドワイド公共部門担当副社長のMax Petersonが、宇宙飛行士のPeggy Whitson博士、ニューヨーク市最高技術責任者のMatthew Fraser氏と、クラウドの変革パワーがどのように組織を可能にしているかについて議論します。これらのリーダーの革新的なストーリーを聞き、ミッションクリティカルなワークロードを安全に保護しながらスピードと俊敏性をもって組織を動かすために、クラウドがどれほど役立っているかを理解するためのヒントを得てください。このセミナーでは、クラウドがどのように企業のスピードとアジリティを向上させ、ミッションクリティカルなワークロードを安全に保護するかを解説します。
- Speakers
- Max Peterson, VP to Worldwide Public Sector, AWS
- Matt Fraser, Chief Technology Officer, Office of Tchnology and Innovation
- Peggy Whitson, Director of Human Space Flight, Astronaut, Axiom Space
- Session type : Leadership Session
- Session level : 200 - Intermediate
セッション内容
NASAの歴史的な宇宙飛行士であるPeggy Whitson博士と、ニューヨーク市の技術革新局(OTI)の最高技術責任者であるMatthew C. Fraser氏の2人をゲストに迎え、ワールドワイドパブリックセクターVPのMax Peterson氏がモデレーターとなる座談会形式の対談でした。
以下、ゲストのキャリアとセッションのサマリについて記載します。
ゲストのキャリアについて
Peggy Whitson博士
- 9歳のときにアームストロングとオルドリンが月面を歩くのを見て自分の夢になった。
- 10年不合格の連続だったが、それを乗り越えて女性初の宇宙ステーション司令官抜擢、軍人以外で初の宇宙飛行士事務所所長となる
Matt Fraser氏
- 幼少期からコンピュータに親しむ
- ニューヨークCTOの前はニューヨーク市警で副監視総監を務める
- それ以前はビルディング、エンジニアリングなど技術分野を数多く手掛ける
- ニューヨーク史上最も若いCTO、並びにニューヨーク歴史上初の黒人CTOとなる。
ディスカッションの内容のサマリ
テクノロジーがニューヨークに今後与えるであろう前進の機会
- 犯罪等の社会問題に対して
- 投獄者に実は失読症などの問題があることがわかっており、これを教育システムや必要な支援が受けられるように結びつけるにはどうしたらいいかを考えている
- 遠隔医療や遠隔教育を前進させる方法
- 犯罪の減少
- 例えば銃声の検知、衝撃音の検知器が設置されている
- ShotSpotterを導入している地域では、90%のケースでシステムが反応することがわかっている。(ShotSpotterは、銃声検知のソリューション)
- また、それに加えてカメラの設置など、誰がどの製品を発砲したかをできるだけ速く検知できる仕組みを作っている
- オープンソースデータを活用した食料安全保障
- 農業技術に関してもオープンソースデータを活用し、小規模農家が実際にどのように利用できるかを検証。1600万エーカー以上の土地を持つ個々の農家が生産量を増やせるような対策を講じることができた。
宇宙を利用することで地球での生活をどのように改善できる?
- 宇宙ステーションには暗黒物質を探すプログラムがある
- 物理学の未来を理解するのに役立つ可能性がある
- もっと直接的に、地球を見たり海の波を見たりする機器をたくさん持っている
- 気象情報など、さまざまなことを計測し、長期的な研究を行っている
- 災害発生時にターゲットを絞った写真を撮影するなど、水などの必要な資源をより短期的な視点で支援することが可能
- 原子以下のレベルで病原体の研究や、幹細胞の研究に役立てる
市民を保護するためにニューヨークで取り組んでいることは?
- サイバー犯罪について
- ニューヨーク市を挙げてサイバーセキュリティの懸念に取り組んでいる
- ニューヨーク市の技術は銀行よりも大きい
- 100万以上のエンドポイント、情報源、34万人分以上の価値、毎日800億の情報を検査する。
- その中で50件ほどのインシデントを調査、事象を確認している。
- クラウドサービスを利用してデータ取り込みや充実、リスクと脅威を評価しながらサイバーセキュリティの任務を遂行する方法を考えている。
- ニューヨークの911事件以降、セキュリティに関するさまざまな課題が追加された。
宇宙に関するサイバーセキュリティの懸念は?
- 過去数年間は宇宙は大きな政府や大企業の領域だったが、これからは何千何万という企業を含め異なる組織の議論が必要となる
- 宇宙の商業化の成功はサイバーセキュリティの保護にかかっている
- 宇宙が乗っ取られるようなことはあってほしくない
ニューヨークの労働力向上のための施策
- ニューヨークは金融大国
- 公営住宅の価格割れや学校システムなどの問題を改善するため、「ギャップ効果(gap effect)」と呼ばれる施策を開始した
- 住宅地や公共図書館でスキルプログラムを学べる仕組み
- このプログラムを今後も進化させたい
- その一つがサイバーアカデミー、FBIと緊密に連携している
- ブロックチェーンや暗号、デジタル資産について学ぼうとしている
- 政府機関では、ハイレベルな人材を集め、能力を高め、離職率を下げる努力をしている。アマゾンほど給料は高くないが。(会場笑)
宇宙のリーダーとして今後2、3年について
- チャンスは無限にある
- 医薬品の分野では、地上の人々の治療に役立つ進歩がほしいと思っている
- このようなことを将来にわたって可能にするにはデータ・リソースが必要
- 健康にとって素晴らしい進歩に向かっている
ニューヨークの今後2,3年について
- 現在、世界中の技術系スタートアップの中でニューヨークは第2位
- 今後3年以内ではなくとも、10年以内には、大学を含めてニューヨークがシリコンバレーに最も近い、世界のハイテクハブになっていると思う
まとめ
世界の技術や経済の中心となっている舞台でこういった社会問題についての考え方や、トップに立つ人がどのようなビジョンを持っていて、その問題にテクノロジーでどう立ち向かおうとしているのか、こんな話が聞けるのもre:Inventならではだなと思いました。